パターン・ランゲージとは?

1970年代から、3つの分野を経て発展してきた知の記述方法です。

パターン・ランゲージは、もともと1970年代に建築家クリストファー・アレグザンダーが住民参加のまちづくりのために提唱した知識記述の方法です。アレグザンダーは、町や建物に繰り返し現れる関係性を「パターン」と呼び、それを「ランゲージ」(言語)として共有する方法を考案しました。彼が目指したのは、誰もがデザインのプロセスに参加できる方法でした。町や建物をつくるのは建築家ですが、実際に住み、アレンジしながら育てていくのは住民だからです。
「パターン」は、いわば文法のようなものをもっており、決まったルールで書かれます。どのパターンも、ある「状況」(Context)において生じる「問題」(Problem)と、その「解決」(Solution)の方法がセットになって記述され、それに「名前」(パターン名)がつけられる、という構造をもっています。このように一定の記述形式で秘訣を記することによって、パターン名(名前)に多くの意味が含まれ、それが共通で認識され、「言葉」として機能するようになっているのです。
建築分野で発展したパターン・ランゲージは、1990年代には、ソフトウェアの分野に取り入れられるようになり、大変多くのパターンが書かれるようになりました。その後、2000年に入り、人間の行為の秘訣を記述するために応用されるようになりました。日本では2009年に井庭崇(aboutの井庭崇プロフィールにリンク)が作成した「ラーニング・パターン」が人間行為に関するパターン・ランゲージの初めの事例であり、その後数多くのパターン・ランゲージが生まれています。

「なんだか良い感じにできる人」っていませんか?
そして、その人に「教えて」と頼んでみても、「どうやって伝えたらいいか分からない」なんて言われることはないでしょうか。かといって、その人にくっついて観察していたら分かるというわけでもありません。
自転車の乗り方を本で読んでも、乗れる人をじっと見ていても、自分が乗れるようにはなりません。このように、実践知とは自分で試しながら体得していくことが必要な知なのです。
ですが、すべての実践知を一から自分で発見していかなければいけないとしたら、なかなか大変なことになってしまいます。
パターン・ランゲージは、すでに豊かな経験を持っている人から「コツの抽出」をし、他の人が「やってみたくなるヒント集」として提示するという、新しい「知恵の伝承&学び」の方法です。実践知らしく「使いながら学ぶ」ことができ、さらに「自分なりの創造」の幅を持って実践をつくっていけるため、良い学びを速く積み重ねることにもつながります。これらは人々がより創造的に自分がもっている力を発揮できる土台となっていくため、これからの時代において、ぜひ多くの方に活用していただきたい方法と言えます。

「これでやっと伝えられるようになる。」
多くの達人がいう言葉。

パターン・ランゲージでは、実践知を持つ人の
アタマの中をまずはひも解きます。
それにより、感覚・勘でしている多くの判断が
形をもって現れます。

「コツの抽出」

パターン・ランゲージは、人の脳内に入っている「コツ・実践知」をインタビューで引き出し、目指す方向の類似性に着目して分類しあんがら抽象度をあげていくことで、その本質を抽出していきます。まずは知が抽出され形を持つことで、はじめて本人は自分の行動を客観的に語れるようになるため、知の伝承のはじめとして《コツの抽出》はとても重要なポイントになります。

実践知とは、経験によって培われた「良い結果を生み出すためのコツ」等を指し、一般的には「勘」「ノウハウ」「センス」「経験則」などと呼ばれたりしています。これまで、それらは人に説明することが大変難しいとされ、それゆえにマニュアルで説明できないような匠の技は「背中で学べ」というスタイルが取られてきました。
それもそのはず、経験することによって時間をかけて学んできたことは、本人の中でネットワーク的につながっているため、自身で切り出して説明するのはとても難しいことなのです。また、本人は無意識に行っていて、実践知として認識していないものも実は多くあります。ゆえ、「この場合はこうする」という具体的なケーススタディとして教えることはできても、全貌を伝えることができないのです。

パターン・ランゲージを制作する際には、まずは日ごろの行動や考え方など、本人が語りやすく、そこに実践知が隠れているはずの事実を集めていきます。対話的なインタビュー形式をとるため、実践者は、質問に答えることで知を脳内から出していくことが可能となります。次に、引き出された行動や考えを、細かなサイズに分断したまま分類していきます。その際、「何のためにしているのか」という行動に潜む意志をキーとし、事実から意志を掬い上げていくことで「やっていることの本質(実践知)」をあぶり出していくのです。

この工程をマイニング(掘り出し)といい、複数人の高度な実践者のインタビューを合わせ、全員の知を混ぜて行っていきます。そうすることで、属人性(個人の癖や事情)もはずれ、カバー領域も広がるため、ある特定領域における一般化された実践知(よい現象を生む型=パターン)が抽出されていきます。今まで脳内にしまわれ、手に取って扱うことのできなかった知が目の前に現れるーこれは、実践者本人たちにとっても驚きの瞬間となることが多くあり、また、各人に蓄積されてきた経験が、新たな知となって世の中に現れる瞬間でもあります。

「やってみたい」というコツを
一つ見つければ、
変化が始まる

ハッとするもの、共感するもの、
確かにそうだと思うもの…。
それらがちょうどよい抽象度で提示されることで、
心が動き始めます。

「やってみたくなるヒント集」

パターン・ランゲージでは、伝えるべき「実践知」を、読み手が理解しやすく、自分もやってみようと思えるよう、様々な工夫を凝らしながら表現をつくっていきます。どれほど有益な情報であっても、まず学ぶ側の心が動かなければ、その人が自主的に変わっていくことにはつながらないと考えているためです。

あることを成功させるためには、人はたくさんの感覚的な判断を同時にしているものです。「おいしい料理をつくる」「人に想いを伝える」…どのようなことでも、自分が得意な(うまくやっている)ことを思い浮かべると、いかに瞬時に多くのことを考えているかと気付かれるでしょう。
そのように、優れた実践知とは、大変複雑なものであるというのがまず前提にあります。実践知は、いくつかの意志を統合した抽象的な意志を持っており、さらに一つひとつが関連しながら全体があるため、分かりやすく表現することは簡単ではないのです。

パターン・ランゲージを制作する際には、抽出した複数の実践知を、様々な角度で眺めて構成を組み替えたりしながら、質感を表しつつ網羅性を持った体系を見つけていきます。受け取り手にとって見えやすく、取り入れやすくなるような全体の輪郭を持ちながら、個々の要素(パターン)がそれぞれに完結し、扱いやすい抽象度を保ちながら、全体を表すようにしています。
また、それらを書き下ろす際にも、読み手の心に届き、やってみたいという気持ちが起こるような工夫を多く入れていきます。
例えば、「~した方が良い」というような外からのアドバイスと感じられるような表現よりも「こういうときには~~なので、~します」という主体的な視点で書くことが多いのも、その一つです。
そのように、始めてみる人にとっても分かりやすく、心が動くような表現を取っていくことで、抽出された実践知は、読み手の「良くなりたい」「より良くできるようになりたい」というモチベーションに乗る形で伝承されていくのです。

「言葉」がなければ捉えられない現象を、
認識できるようになる

気に入った「言葉(パターン)」を覚え、
日々の思考や会話のなかで使うことで、
取り入れたいコツに触れていきます。
研修でも自学でもない、
日常の中で進む新しい学び方です。

「使いながら学ぶ」

パターン・ランゲージでは、伝承したい実践知を「言葉化」するということも大きな特徴です。これは、文章で書き表すという意味だけではなく、とある概念に名前が付いた状態、つまり「言葉(ボキャブラリー)をつくる」ということを指しています。この形を取るのは、実践知は日常の中で使われるため、「言葉(ボキャブラリー)」という想起しやすい形で頭に入っていてこそ、伝承された実践知の新たな実践が進んだり、またさらに、対話が生まれていったりするためです。

そもそもパターン・ランゲージは、よい結果を生み出す「型」を「言葉」で表現するため、パターン(型)・ランゲージ(言語)と呼ばれています。「木」「机」等と言えば、人はみな、同じようなイメージ(定義・概念)を想像することができます。これは「言葉(ボキャブラリー)」の持つ機能です。そのように、「概念に名前をつける」、もう少し限定すると「ある領域において、よい実践を生み出すための考え方に名前をつける」ことをパターン・ランゲージはしているのです。
そのようにすることで、気に入ったコツ(実践知)を読み、その「名前」を頭に入れていれば、必要な時にその概念を思い出すことができます。概念を詳しく述べる文章を覚えたり、自分で要約して記憶に留めたりすることは難しいので、考え方に名前をつけ、それを思考のトリガーとして頭に入れてもらうのです。他の既知のボキャブラリーと同じように、その方の中でそれらの言葉が使われれば、その方は「うまくやるためのコツ」を日常の中で想起しながら過ごすことができるようになります。
また、「言葉」で表現することで、概念を複数人でブレずに共有することができ、その言葉を使っての対話をすることができます。名前や定義のないものについては語り合うことはできませんが、「言葉」になると議論が可能になり、組織的な学習が進んでいきます。

そのように、よい結果を生み出す要素を「言葉(ボキャブラリー)」で表現するために、パターン・ランゲージでは、一定の形式を守って概念を記述します。また、間違いなく使っていけるよう細心の注意を払って「名前」を決定し、さらにそれを感覚的に認知できるよう、象徴的なイラストや、キャッチコピーのような説明を加えます。
これらによって、考え方を「言葉」として扱うことができ、受け手が気に入った「言葉」を覚えることで、自然で生きた学びを生んでいくということがパターン・ランゲージの目指す学びです。

その人を肯定しながら成長を促す

たくさんのカードの中から選ぶことが、その人らしさを表します。
どれを選んでどうするかに正解がなく、
どのような選択も肯定される学び・対話が生まれます。

「自分なりの創造」

パターン・ランゲージは、学び手それぞれが自分の状況や個性などに合わせてヒントを取り入れ、自分らしく実践したり、成長したりしていくことができます。
パターンを活用すべき場面は日々にたくさんありますが、実際の状況はすべて異なるものです。そのため、例えばマニュアル(手順書)のように、すべき行動を暗記し実施することで成果を挙げることはできません。パターン・ランゲージは、その場を解決するための考え方を抽象的に示すことで、対面している状況や背景、また実践者個人の性格なども考え併せて、具体的な行動をつくっていけるようになっているのです。

知の伝承方法にはいろいろな方法がありますが、パターン・ランゲージは目指す方向性を掲げる「ミッションの提示」と、行動を追うことで誰でも間違いなく再現できるようにするための「マニュアル(手順書)」の間にある方法と言えます。この3つは目的が違うもので、パターン・ランゲージは「その方向に向かうために、自分はどうしたらよいのか」を考えるための素材となり、ミッションとマニュアルをつなぐ「中空の言葉」と表すことができます。

パターン・ランゲージは、実践知を抽象的すぎず具体的すぎないように書くことで、ある程度のやり方を提示しつつ、個々人の手元でのアレンジの余地を残すようになっています。そのため、パターン・ランゲージを使った学びは、目指す状態になるために(問題を解決するために)どうしたらよいかは分かるけれど、具体的にどう行動に落とすかは自分で考えてやってみる、ということになります。また、それをどう具体化するかに制約はなく、どのような具体であっても本人にとっては正解です。そのため、本人を活かした自己肯定的なチャレンジが積み重なることとなります。

このように、「どうすればいいか」が抽象的に書いてあることで、そのパターン(コツ)を親として無数の具体例が紐づくこととなります。また、すでにある無数の良い実践を、「どう良いのか」という本質を軸として整理することもできるようになり、日常から事例を拾い出していくことも容易になります。これを「認識のメガネ」を持つといい、成長を加速させていきます。
そのように具体的なやり方をつくったり選んだりしながら実践を試していく中で、徐々に自分らしい実践ができるようになり、その人らしい成長が重なっていくのです。

パターン・ランゲージのつくり方

コツを「掘り出し」分類して本質を「抽出」し全体像を「体系化」し、
文章とイラストで「表現」する…少し長めの道のりです。

第一フェーズ:マイニング

  • どんなコツを引き出して、誰に伝えるのかを議論した上で、誰からコツを引き出すのかを決定します。
  • 対象者にマイニングインタビュー(掘り出すための対話的なインタビュー)を行い、その方の行動や考えを細かく分け、カードに書きます。
  • 複数人にインタビューを行います(目的により、インタビュイーの適正人数は異なります)

第二フェーズ:抽出

  • インタビューで得た実践者たちの行動・考え(種と呼びます)が書かれたカードをKJ法によりクラスタリングします。多くのパターン・ランゲージは、500~1000程度の種を分類することから生まれています。
  • 行動・考えそのものではなく、種の持っている意志(何のためにしているのか)を元にして、似たものを寄せ、島(いくつかの種の固まり)をつくっていきます。
  • この際、既存の概念に種をあてはめないように気を付けます。種の意志を忠実にくみ取り、まだ見たことがないものを掬い上げるような気持ちで行うことが大切です。(そうしないと、分かっていたことを再記述することになってしまいます!)
  • 種の意志を忠実にくみ取り、似たものだけを寄せ集める一次クラスタリングが完了したら、できあがった島同士の意志(少し抽象的になっています)の近さでグループをつくっていく二次クラスタリングを行います。
  • 約40~50程度の島にまとまってきたら、その島が「パターン=良い実践の秘訣」だと言えるかを確認します。簡易的なパターン・ランゲージの記述で書いて骨格を持たせてみることで、それがコツといえるのかを判断します。
  • この段階で残ったものが、最終的なパターンの候補となります。

第三フェーズ:体系化

  • これらのコツを知らない方々へ届けるための準備段階に入ります。
  • 島(パターン候補)の意志をくみ取り、あることを良い質で実践するためには、どういった要素が必要だと言っているのかを議論しながら見つけていきます。
  • 意志の近さ・使うシーンの違い・実践の難易度・抽象性の粒度・パターンとしての強さ(伝える意味が大きいかどうか)・網羅性…等様々な観点を検討しながら、個別&全体メッセージをくみ取りながら、全体像をつくります。
  • 伝わりやすい数のパターンで・伝わりやすい全体像が見えたら体系化は終了です。ここで、バラバラと散在していたコツたちが、ひとつの形を持ちます。

第四フェーズ:表現

  • 文章とイラストで表現していきます。
  • 記述要素として「Problem/Force/Solution」に誤りがないかを特に大切にします。ここを正しく再現しなければ、誤ったコツをお渡しすることとなるためです。この3点には想像や思い込みを入れないようにしていきます。
  • ライティング担当者が書いたものを、必ず複数人で精査します。それにより、インタビューで得た内容を正しく言えているかをチェックし、個人の思考や言葉遣いの癖を排除することで、多くの人にとって分かりやすい文章とします。
  • イラストは、そのパターンの本質を象徴するシーンを描きます。
  • できあがったパターン(概念)に名前を付けて、完成です!

パターン・ランゲージの記述形式

一つのコツ(パターン)は、決まった構成要素で表現します。
構成要素を一つずつ検討することで、コツを捉え、伝わりやすいものにすることができますので、ご自身で書く際の参考にしてください。

パターン・ランゲージの記述形式
パターン・ランゲージの記述形式
  • ①パターン番号
    体系の中の位置づけを示す番号。通し番号の場合も、カテゴリーごとに区切った番号の場合もあります。
  • ②パターン名(名前)
    右ページの内容(概念)全体の名前。名前を付けることにより「言葉」になります。会話での使いやすさ、覚えやすさ、想起させるイメージの正しさ、視認性、他のパターンとの被り、既存の言葉との差異等、様々なことを考慮して決めます。
  • ③イントロダクション(一行説明)
    パターン名とイラストを補足する説明。パターン名・イラスト・イントロダクションの3要素で、内容の7~8割が伝わるようにしていきます。
  • ④イラスト
    パターンの内容を象徴するイラスト。
パターン・ランゲージの記述形式
  • ⑤状況(Context)
    このパターンを必要とする状況。
  • ⑥問題(Problem)
    その状況(Context)で起こってしまいやすい問題。
  • ⑦フォース(Force)
    問題(Problem)が度々発生してしまう理由。社会や自然の摂理、多くの人に共通する心理など、容易には避けることのできない力を指します。
  • ⑧解決・解決のヒント(Solution)
    度々起こってしまうProblemから脱するため、どのように考え、行動すると良いのか。抽出したコツを抽象化したものです。
  • ⑨アクション(Action)
    Solutionの具体例。Solutionは抽象的なので、具体的な実践を考えやすくする呼び水のような役割です。インタビューで語られた具体的な行動(このパターンの元になっている「種」)を記載します。
  • ⑩結果(Consequence)
    このパターンを実践したときに起こること。Problemが解消する以外の変化は実践前には想像しにくい場合もあるため、実践後の拡がりを書きます。また、パターンを実践すると、その問題は解消しても、別のネガティブな結果につながる可能性があることもありますので、そういった場合もこの欄に記載します。

パターン・ランゲージ・カードの使い方

様々な活用の仕方が生まれてきているパターン・ランゲージ。
どのパターン・ランゲージでも可能な、代表的な使い方をご紹介します。

「経験の交換(対話)」ワーク
(主に職場のチームで・教育現場で…)

カードに書かれている「コツ」について、自分の経験を出し合って話すグループでの対話ワークです。カードを中心として話すことで、他の人の経験談からその本質を聴き取りやすく、また本人も自分の経験をブレずに伝えることができます。自分の経験していないパターンについて、他の人の実践例を聞くことも有効です。ひとつのパターン(カード)に対して各人が様々な経験をもっていることが感じられるため、多様性に気付き、自分が具体的な実践をつくり出していく幅も広がっていきます。

「選んで語る」ワーク
(主にワークショップのアイスブレークで・家族で・教育現場で・福祉現場で…)

好きなカードを選んで、それについて話してもらいます。なぜ選んだのか、それについてどんなふうに思うのかなどを自由に話すだけですが、スルスルと言葉が出てきて、その人の新しい面を知ることができます。普段寡黙な人が話し出したり、これまで聴いたことのない思いが聴けることも多くあります。
好きなカードだけでなく、大切だと思うもの・気に入ったもの・今日の気分にあったもの…などいろいろなバリエーションを試してみてください。

「現状分析・目標設定」ワーク
(主に職場で・教育現場で・個人で…)

カードの内容を読み、自分(たち)が実践しているか、していないかを分けていきます。カードセットには「実践レベルカード」「取り入れたいカード」が入っていますので、それを使うと分けやすいです。分類が終わったら、「実践していない」か「少し実践している」に分けたもののうち、これから取り入れたいものを「取り入れたい」カードの近くに寄せていきます。その中から、当面の目標とするものを選び、具体的にどうするかをいくつか決めてみましょう。明日からできそうなことを入れていくと、すぐに動き始めることができます。
複数人で行う時は、話し合いながら進めることで、分類することが学びになります。また目標を内発的な動機で、みんなで一緒に決められることも組織で変わる上で効果をもちます。個人で行う時は、その時思ったことをノートにつけておくと、成長を確かめることができます。
なお、実践レベルを分けた時点で実践している点数をレーダーチャートにしてみると、自分(たち)の傾向が掴みやすくなります。

  • *旅のことば・サバイバルランゲージには、実践レベルカードは入っていません。
  • *レーダーチャートはダウンロードコーナーにあります。

「アイデア発想」ワーク
(主にワークショップで・教育現場で・職場で・個人で…)

1枚のカードについて、意見を出し合ったり、自分でノートに書き出しながらじっくり考えたりする「アイデア発想」のワークです。対象となるカードは、主催者が参加者に考えもらいたいものを選んだり、自分たちで話したいものを選んだり、その日の気分でなんとなく選んだり、各テーブルであえてばらしたり等、いろいろな選定方法があります。コンテキスト(状況)やプロブレム(問題)が自分たちに当てはまるものを選ぶのも一つです。じっくり考える際には、冊子や書籍があるパターン・ランゲージであれば、その該当ページを読み込むとより深く考えられます。
「誰のどういう状態を改善したいのか」がブレず、考えるヒントが示されているので、企画や次の一歩のアイデアが出やすくなります。

「成長の確認」ワーク
(主に個人で・教育現場で・職場で…)

できていると思うパターンをチェックし、実践レーダーチャートを書いてみましょう。定期的に行うと、どのように成長しているかを可視化することができます。なかなか捉えにくい定性的な変化を緩やかな数量的感覚をもってことができます。また「できているかどうか」を教師や上司、親などと話し合うのも、自己評価と他者評価のズレをなくす良い方法です。
これから伸ばしたいパターンを選んだら、その言葉を使って作文してみると、やりたい気持ちや今後の方向性がハッキリと形になります。

「日常で触れる」
(個人で・職場で・福祉や医療、教育などの現場で…)

カードを家の冷蔵庫に貼っておいたり、病院の待合室に日替わりで掲示したり、職員室のコピー機前に貼っておいたり、なんとなく時間ができたら見てみたり…といろいろなケースがあります。また、自分たちでパターン・ランゲージをつくった時には「オブジェクト化」といって、日常で使うモノに印刷することで、日々目にするようにするケースもあります(クリアファイル化・うちわ化・鉛筆立て化・ダブルクリップ化・まな板化…など)。
具体的な目的があるわけではなくても、日々触れることで頭に残ったり、毎日なんとなく考えることにつながることで、自然と思考が明るい方を向くようです。

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  • 井庭のセミナー・講演や、弊社主催のワークショップなどのお知らせです。ご興味あるものがあれば是非ご参加ください。

  • 弊社から出しているパターン・ランゲ―ジの一覧です。各商品のことをさらに詳しく説明しているページもありますので、是非ご覧ください。

  • 過去に行われた井庭のセミナーや講演の動画をご覧いただけます。

  • 井庭がつくったパターン・ランゲージに関する説明のスライドです。

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